7 成長 麻雀 そして入院・・・

ハンドバック売り場に移動してバリバリ販売ができるようになり、

憧れの買い取り売り場配属です。

テンションはかなり上がりました。しかし当時その売り場で

美人で有名な意地悪な女の先輩がそこにいました。

この先輩、僕がこの世の中で出会った誰よりも性格が腐っており、

心の底から嫌いでした。

世の中にはこんな腐った人がいるもんだと勉強になりました。

僕はここで買い取り商品の消化管理を任されます。定価で売れた金額が

目標に到達するようにコントロールします。いわゆる建値(定価販売)の

向上がミッションとなるわけです。

同時に最終消化率も向上しなければなりません。これを両方やるとなると

結構難しいです。

例えば30,000千の商品を買い付けたとします。 当時建値消化率を60%と

言われていましたので、30,000千 x 60% = 18,000千

定価で販売しないといけません。 さらに最終消化を90%に持っていきますので

トータル27,000千消化しないといけないのです。 となれば仮に建値で18,000千

消化したとしても、残りの在庫は12,000千。これを2割引きで販売したとすると、

9,600千のバーゲン商材を9,000千売らないと27,000千の消化になりません。

9,600千を9,000千売り切るなんてとても不可能です。 もちろん建値の60%が

すでに不可能だったわけです。当時のバクの買い取りの建値は35%も行けば良く、

毎期在庫が余っていました。 そんな状態にもかかわらず、そのアホ先輩は

また30,000千買い取ってくるわけです。

これではすぐにパンクしますね?  だから僕はどんどん在庫を見切って

消化していました。こんな経験が本当に僕の小売業のスキルを上げてくれました。

売れ筋、見せ筋、定番の割合をどうすればよいか。これが買い取りのポイントです。

しかし女性が買い付けを行うと、個人の感性や、見せ筋の買い付けを多くする傾向が

あり、いつも定番商品が欠落していました。SKUに元ずく買い付けも行われて

いなかったこともあり、買い付けて3か月も経つと、店頭はぐちゃぐちゃ、、、

本当にバランスが重要であると理解しました。

しかし在庫がどんどん膨らむ中、そのことを助言してもその先輩は

一向に聞く耳を持ちません。やむなく僕はどんどん商品を見切って安売りを

行うわけです。 しかしそれはすなわち店頭にセール商品が多く並ぶことを

意味しており、これまたその先輩の逆鱗に触れるわけです。

常に店頭は定価商品にしていたい。そんな思いがとても強かったですね。

誰もがそう思うのですが、それと台所事情は別です。綺麗ごとは言ってられません。

そうした軋轢が積もりに積もって、僕とその先輩の関係は究極に悪くなります。

また当時は麻雀にはまっていることもあり、ほぼ毎晩仕事が終わってから

夜中の2時ぐらいまで麻雀をしていました。

毎朝フラフラの状態で出勤するわけです。これは本当につらかったですが、

それでも麻雀が辞めれませんでした。

また当時MJというネット麻雀ゲームが出だしたころで、それにもハマっていましたので

仕事以外の日はすべて麻雀という日々を3年も続けていました。

ある時顔の半分感覚がなくなっていることに気が付きます。最初はおかしいと

思いましたが、その翌日ぶつぶつがつぶれて顔半分が爛れていました。

痛くて痛くて話すこともできません。慌てて病院に行くと

帯状ほうじん と診断され即入院。

仕事の激務、職場関係、夜遊びといろいろなものが重なり、とうとう

人生初めての入院をするのです。

つづく。